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要旨 [目的]入院中の低栄養患者に対する栄養サポートチーム(nutrition support team;NST)群と,control群の効果を検証した.[対象]本研究における低栄養患者の選択として,血清アルブミン(ALB)値3.0以下,経口摂取は可能であり,摂取量が7割未満,BMI(Body Mass Index)20以下のいずれかに該当する患者とし,認知症や,終末期などでない低栄養患者を対象とした.[方法]対象者には,2か月間の経時的変化について評価を行い,評価期間中に転院や退院した症例を除外したNSTと理学療法を併用したNST群(11名)と,理学療法のみ行ったcontrol群(12名)に分類した.評価項目はBMI,ALB,機能的自立度評価法の運動項目(motor-Functional Independence Measure;m-FIM),エネルギー摂取率(%total energy expenditure:%TEE),蛋白質摂取量,C反応性蛋白(C-reactive protein;CRP)とした.[結果]NST群は,2か月後にcontrol群に比較し,ALB,m-FIM,%TEE,蛋白質摂取量の項目で有意な改善が認められた.[結語]低栄養患者への理学療法介入において,NSTによる積極的な栄養管理と理学療法の併用により,日常生活動作(activities of daily living;ADL)と栄養状態を効率的に改善することが示唆された.栄養評価を包括した理学療法の実施や,多職種連携であるNSTは有効であると思われた.今後は,栄養状態に合わせた最適な理学療法介入法を確立することが必要であると考える.
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