今月の主題 内科医に必要な癌のマネジメント
癌患者にみられる合併症のマネジメント
低栄養状態
松本 主之
1
1川崎医科大学内科消化器部門II
pp.501-503
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909277
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ポイント
●癌患者の低栄養状態は,悪液質に関連したいくつかのメディエーターがその発生に関与するため,難治性,進行性の経過をとる.
●筋組織における蛋白分解の亢進およびアミノ酸と乳酸からの糖新生の亢進による蛋白の消費が,癌患者の低栄養状態における主たる代謝異常である.
●身体計測,血液・尿データのみならず,筋力測定も癌患者の栄養指標となる.
●低栄養状態の治療には経腸栄養と中心静脈栄養が用いられるが,これらの栄養療法が癌治療の効果や予後を改善したとの臨床データはない.したがって,癌患者の栄養治療はquality of lifeの向上が主な目的となる.
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