特集 NST(nutrition support team)と理学療法
経腸栄養および胃瘻患者の生活と理学療法
平賀 よしみ
1
,
福島 由美
2
,
福田 倫也
2,3
Hiraga Yoshimi
1
1北里大学東病院リハビリテーション部
2北里大学東病院
3北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.465-470
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100963
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はじめに
理学療法において,急性疾患および慢性疾患患者の栄養状態を改善することは,合併症の発生を予防し,種々の介入を円滑に進め効果をあげるために必要不可欠である.回復期リハビリテーション病棟や,慢性疾患をもつ長期療養者の介護を目的とした療養型病床群においては,嚥下障害や低栄養状態の方が多くみられる.また病院や施設から在宅復帰するにあたり,栄養状態が安定していることは不可欠な要件である.嚥下障害は脱水や低栄養状態を引き起こし,それによりさらに嚥下障害が増悪するという悪循環に陥る危険性がある.そこで,経口摂取が可能か否か,摂取量が十分かどうかを見極めた上で,適切な代替栄養法で不足分を補う必要がある1).代替栄養法には大きく分けて経静脈栄養法(点滴:中心静脈栄養管理),経腸栄養法がある(図1).長期間にわたる経静脈栄養法管理は,腸粘膜の萎縮やバクテリアルトランスロケーション注1)の問題が指摘され,近年ではより生理的な経腸栄養法が見直されている2).経腸栄養法の投与ルートとしては,経鼻,胃瘻,空腸瘻がある.本稿では,理学療法の対象者に多い経鼻経管栄養法,胃瘻について述べたい.
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