報告
食事指導と自覚的運動強度を用いたトレッドミル歩行の組み合わせが2型糖尿病患者の健康・体力水準に及ぼす影響
関根 弘和
1
,
田中 喜代次
2
,
重松 良祐
3
,
曽根 博仁
4
,
平賀 陽子
5
Sekine Hirokazu
1
1筑波大学大学院体育研究科
2筑波大学体育科学系・先端学際領域研究センター
3三重大学教育学部生涯教育講座
4筑波大学臨床医学系・代謝内分泌内科
5財団法人結核予防会複十字病院
pp.257-260
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100802
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糖尿病の運動療法における強度指標には酸素摂取量(VO2)や心拍数(HR)が幅広く用いられている.自覚的運動強度1)(RPE;rating of perceived exertion)も,アメリカスポーツ医学会(ACSM)では,強度指標として望ましいとしている2).合併症を生じた糖尿病患者においては,安静時・運動時の心拍数の異常がみられる場合もある3)ことから,RPEも糖尿病の運動療法に適した強度指標の一つといえる.糖尿病の運動療法の目的は消費エネルギーを増大させるとともにインスリン感受性を改善させ,糖代謝効率をよくすること4)とされている.しかしリハビリテーション分野における運動療法では,運動に伴う体力の維持・改善についての有用性も含めた包括的な視野に立って検討しなければならない.
本研究では2型糖尿病患者に対し,食事指導と運動療法の強度指標にRPEを用いたトレッドミル歩行を組み合わせ,その運動プログラムの有効性を血液検査,血圧・形態測定,体力測定の各要素から検討したので報告する.
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