短報
脳卒中片麻痺患者の咬合機能に関する研究
藤澤 祐基
1
,
富樫 誠二
2
,
笹原 妃佐子
3
,
後藤 力
4
,
藤村 昌彦
5
,
奈良 勲
6
Fujisawa Yuuki
1
1医療法人瑞穂会川越リハビリテーション病院リハビリテーション部
2大阪河﨑リハビリテーション大学リハビリテーション学部
3広島大学歯学部予防歯科
4広島国際大学保健医療学部
5広島大学大学院保健学研究科
6神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.963-966
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100691
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緒言
咬合機能は嚥下前段階として重要であるとされ,その機能低下による嚥下不全を呈する脳卒中片麻痺患者(以下,片麻痺患者)は臨床的に散見される.脳卒中片麻痺患者の咬合機能についてCruccuら1)は詳細な筋電図学的検査の結果,咀嚼筋群では対側の大脳半球からの支配が優位であると報告している.しかし,Kemppainenら2)は片麻痺患者の左右の第一大臼歯で咬合力を測定し,麻痺側,非麻痺側間で最大咬合力に差はなかったとしている.このように片麻痺患者の咬合機能に関する先行研究の結果は一致していない1~5).そこで本研究では,歯科領域において広く用いられている咬合感圧シート(デンタルプレスケール)を用いて,片麻痺患者の咬合力について健常者との比較を行い,片麻痺患者の口腔周辺機能の特性を探ることを目的とした.
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