入門講座 画像のみかた・3
臨床に活かす脳のCT・MRIのみかた
生野 雄二
1
,
豊田 一則
1
,
山口 武典
2,3
Shono Yuji
1
1国立循環器病センター内科脳血管部門
2国立循環器病センター
3千里リハビリテーション病院
pp.231-239
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100662
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はじめに
脳の画像診断は,かつては脳血管造影が唯一の手段であったが,1970年代のCT(computerized tomography),1980年代のMRI(magnetic resonance imaging)の登場によって,より詳細な形態学的診断が可能となった.画像診断技術の進歩に加えて,脳梗塞に対する血栓溶解療法をはじめとする治療の進歩や,救急救命部門の充実により,近年脳血管障害や脳外傷患者の救命率が上がってきている.しかしながら,その一方で重度の障害を持つ患者は増加しており,それに対していかに機能回復や日常生活動作(ADL)の改善を図るかが今後の課題であり,急性期~回復期および維持期におけるリハビリテーション(以下,リハビリ)が重要な役割を担っている.本稿では脳の画像診断における代表的なものとしてCT,MRI,MRA MR(angiography)について,その基本的なメカニズムや,脳血管障害を中心に頭部外傷,脳腫瘍など実際の疾患の画像のみかた,また脳の機能局在について概説し,リハビリにおける画像の活用について述べる.
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