特集 めまい—問診から治療まで
III.診断
平衡機能検査—体平衡機能検査
時田 喬
1
1岐阜大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.757-762
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210194
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I.体平衡とその検査
めまいを訴える患者の身体症状として最もしばしば出現するものは体平衡の障害である。患者は直立の不安定,歩行におけるふらつき,階段の上り下り,方向転換におけるバランスのくずれなどを訴える。したがって体平衡の検査はめまいの検査の基本である。
体平衡は不随意的な調節機構により維持されている。体平衡による働きとして,①視器,迷路,自己・外受容器から開発される平衡反射,②小脳の働きによる四肢,躯幹の協同運動制御機構,③大脳核,前庭神経核などによる筋緊張調節機構を挙げることができる。したがって体平衡の検査にあたってはこれらの機能を検査する必要があるが,本稿では平衡反射の検査について述べる。
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