講座 理学療法における標準(値)・6
平衡機能
内山 靖
1
,
臼田 滋
1
,
山端 るり子
2
,
榎本 香織
3
Uchiyama Yasushi
1
1群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻
2日高病院リハビリテーション科
3北里研究所メディカルセンター病院
pp.949-959
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105207
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はじめに
理学療法ではあらゆる意味で患者の違いや変化に気づくことが求められる.それは,健常人との違いや逸脱としての障害の把握であったり,一定期聞にわたる個人の経時変化,特定の介入による影響,さらには治療効果と呼ばれる変化も含まれる.いずれの場合でも,違い(空間的)や変化(時間的)を明らかにするためには,比較する対照が不可欠であり,それぞれ基準となる合目的的な物差しがあって可能になる.
本講座では,上記に資する理学療法のための標準値を提示することが目標となるが,現状において整然とした標準(値)を一覧することは甚だ困難であるといわざるを得ない.それには幾つかの理由があるが,ここではこれまで報告された平衡機能の結果を示して,理学療法における標準(値)作りの基礎となることを目指す.
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