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特集 高齢者のめまいを治す
《高齢めまい患者特有の病態》
高齢者の平衡機能と自律神経の特徴
Clinical pathological characteristics of aged vertiginous patients: equilibrium and autonomic nervous function of aged vertiginous patients
新井 基洋
1
Motohiro Arai
1
1横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科
pp.404-408
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202410
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POINT
●高齢者の平衡機能を考えるうえで必要な,前庭系と自律神経の加齢変化を中心にまとめた。高齢者は末梢前庭,中枢前庭,視覚,反射,筋力や骨,自律神経などに機能低下を認め,平衡システム全体が障害された病態である。
●高齢者は前庭のみならず視覚器の加齢変化を認め,深部知覚情報への依存が高くなり,転倒する可能性が高い。
●高齢者の自律神経機能は低下し,さらに各種合併症が循環系に常に負担をかけており,軽微な自律神経異常で起立性低血圧や食後性低血圧をきたす。
●今後さらに高齢めまい患者は増加の一途を辿るので,われわれ耳鼻咽喉科医はその病態を理解し,適切な助言とリハビリ指導ができるようにならなければならない。
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