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2000年4月,特定入院料として回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)入院料が新設されて以来,回復期リハ病棟入院料算定施設は軒並み増加し,2002年5月には142病院,152病棟6,416床が算定し,2004年2月29日現在,444病院,526病棟,24,047床が算定するまでに至っている(全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会調べ).単に施設基準だけで推計すると1,052名以上の理学療法士(以下,PT)が病棟専従として勤務していることとなるが,国立保健医療科学院による平成15年度回復期リハ病棟実態調査(アンケート方式)では回答の得られた152病院,202病棟のうち,病棟専従基準内配置の病棟が59.4%であり,基準以上に配置している病棟は40.6%にのぼり,病棟専従として勤務しているPTは実に数千人以上に及ぶと考えられる.
このような状況のなか,回復期リハ病棟で実践されている内容は必ずしも制度が意図したものではないという声も耳にする.回復期リハ病棟の目的として「・・・・リハビリテーションプログラムを医師,看護師,理学療法士,作業療法士等が共同で作成し,これに基づくリハビリテーションを集中的に行うための病棟である」と掲げられているように,回復期リハ病棟運営の是非はチームアプローチの「総合力」として判断されるものである.そのため,一概に「理学療法」のあり方だけを取り上げて論述されるべきではないが,現時点ではリハビリテーション専門職としての評価・分析結果,予後予測,目標設定,アプローチが患者・家族の退院後の生活を大きく左右しているのも事実である.本稿では国際生活機能分類に基づき,「生活機能向上」を視点においたリハビリテーションのあり方について私見を述べる.
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