特別寄稿
期待される理学療法士像―あなたは患者さん(対象者)を元気にしてますか
奈良 勲
1
Nara Isao
1
1広島大学大学院保健学研究科
pp.500-507
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100504
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はたして,患者さん(理学療法士の職域が拡大され,患者さんを診るだけの時代ではないため以下,原則的に対象者とする)は理学療法士に何を期待しているのだろうか? わたしたち理学療法士は保健・医療・福祉領域で働く専門家として,対象者の理学療法をはじめヘルスプロモーションおよび医学的・社会的リハビリテーションなどに関与する際,まずは対象者の医学的および社会的情報と検査・測定で得たデータに基づいて評価する.そして,それによって対象者のニーズや傷害・障害像などを把握して,それらの改善・解決を図るべく到達目標を含むプログラムを立案し,それを実践して対象者の期待に応えようとしている.しかし,個々の対象者のニーズは多岐にわたり,かつ傷害・障害像も多様であることから,それらに幅広く対応することは極めて多難であることも事実である.
また,2001年に改定されたWHOの国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)に準じて対象者のimpairments, activities,participationにかかわることが,わたしたちの今後の課題であるとすれば,その観点から対象者に介入・対応することが求められよう.
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