あんてな
離島における地域リハビリテーション活動
井川 吉徳
1
1長崎県離島医療圏組合上対馬病院
pp.322-325
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100467
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長崎県・対馬
対馬島は九州北部玄界灘に浮かぶ,南北82km・東西18kmの細長い島です.北は朝鮮海峡を隔てて朝鮮半島に対し,南は対馬海峡を隔てて壱岐島,九州本土に面しており,福岡まで147km,韓国(釜山)までは49.5kmの近さにあります.晴れた日には釜山の山並みを眺望することができ,「国境の島・対馬」を実感します.対馬島の面積は708.5km2で,全国の離島の中では,佐渡,奄美大島に次いで全国で3番目に大きい離島です.また,対馬は現在6つの町から構成されており,全島人口は年々減少傾向で40,948人,高齢化率は24.4%となっています(平成15年4月1日現在).最も高齢化が進む町では高齢化率は30%を越え,また世帯数は微増しており,人口の高齢化と過疎化,そして核家族化の進行がうかがえます.
対馬島は,全体の89%を山林が占め,標高200~300mの山々が海岸まで迫る地形で,海岸沿いの平地部分に多くの集落が点在します(写真1).また,公共の交通手段は路線バスですが,便数が少なく,マイカーを持たない島民は不便を強いられることが多いです.この独特の地形と交通事情は,地域リハ活動を展開するうえでも大きなハンディとなっています.通院が困難な方にとっては,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)は,ニーズの高い在宅支援サービスです.
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