入門講座 ベッドサイドでの患者評価 1
心疾患
高橋 哲也
1
Takahashi Tetsuya
1
1群馬県立心臓血管センターリハビリテーション課
pp.555-564
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100353
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はじめに
病棟や訪問に1人で行った時に,対象者を目の前にして「どこからどうしたらいいのか」と悩むことがある.理学療法士は運動を主たる治療手段とする職業であるために,常に目の前にいる対象者に対してこれから運動というストレス(負荷)を掛けても大丈夫かと考えることが多い.特にその対象者が心疾患の既往を有していたり,現在心疾患の治療中であったりすると,自分の行う理学療法によって状態を悪くしてしまいはしないかと不安に陥ることがしばしばある.理学療法士が心疾患に苦手意識を持つ最大の理由は,四肢の麻痺や骨折などと違って,外見上健常な状態と区別がつきにくい(実際は比較的わかりやすい)との印象があるからであろう.
本稿では,そんな苦手意識を少しでも解消することを目的に,心疾患に対するベッドサイドでの評価方法を,「対象者を直接評価する前に医師カルテや看護経過記録から収集できる情報」と「理学療法士自身が実際に対象者に接し得られる情報」の2側面から概説する.
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