特集 物理療法の有効性とリスク管理
寒冷療法の有効性とリスク管理
小林 寛和
1
,
金村 朋直
1
,
池田 潤一
2
,
大石 勝規
3
Kobayashi Hirokazu
1
1財団法人スポーツ医・科学研究所
2医療法人青山外科
3トヨタ自動車ヴェルブリッツ
pp.125-130
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100253
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はじめに
寒冷療法は,医療やスポーツの場面で,急性期の患部への処置から日常的な身体的コンディショニングに至るまで,様々な目的をもって活用されている.
痛みや腫脹などに対して意図した効果が得られるが,その作用機序については不明瞭な点も多く,方法や効果判定については施行者の判断によるところが大きいようである.
寒冷療法の方法や効果の根拠を得るために数多くの検討がなされてきている.Bleakley1)やHubbard2)は,過去の研究内容の比較検討から,寒冷療法の方法と効果について考察している.Bleakleyは22編の研究論文を,Hubbardは4論文を,PEDro scaleにより評価し,有効性と根拠の明確化を試みている.その結果からも,寒冷療法に関するevidenceは十分とは言い難く,より精度の高い実験的研究の必要性が指摘されている.
このように,今後の詳細な検討を要することを前提とし,本稿では,寒冷療法の作用機序と有効性について,文献的な考察をもとに解説したい.
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