Japanese
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特集 寒冷地におけるリハビリテーション
寒冷積雪地における理学療法の特殊性
Charactaristics of Physical Therapy in Cold and Snowy Region
齋藤 康弘
1
,
山田 伸
1
,
伊勢 紀久
1
,
松本 茂男
2
Yasuhiro SAITOH
1
,
Shin YAMADA
1
,
Norihisa ISE
1
,
Shigeo MATSUMOTO
2
1青森県立中央病院理学診療部
2弘前大学医学部附属脳卒中研究施設リハビリテーション部門
1Department of Physical Therapy, Aomori Prefectural Chuoh Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, Institute of Cerebrovascular Diseases, Hirosaki University, School of Medicine.
pp.793-798
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103917
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Ⅰ.初めに
北国の冬は長く,人々は雪と共存して生きてきた.昭和30年代の初めまでは,雪が降り積もると,生活道路はもちろん国道,県道の一部を除いて積もるにまかせ,道路は子どもたちの恰好な遊び場所となっていた.
昭和30年代後半,急激なモータリゼーションにより,それまでの冬ごもりの生活が大きく変化し活動的となった.しかしまだ一般市民の冬期間の生活は厳しく,身体障害者にとっては,ことさら大きなハンディキャップとなっている.特に外出が制約され一部の者を除いては,冬眠状態の生活が強いられ,問題解決にはほど遠いものがある.筆者らの住む青森市における雪に対する総合対策(青森市雪総合対策室1987年4月設置)は始まったばかりで,雪を征服するまでには至っていない.
一方雪に関連する人身事故は予想以上に多く,人命にかかわる事故をはじめ,神経損傷による運動障害や骨折など多岐にわたっている.これらの事故は,日常茶飯事に発生していたため,慣れすぎて問題にされない面があった.そこで今回は、冬期間に発生する雪による人身事故と冬場における身体障害者の抱えている理学療法上の問題について私見を述べたい.
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