特集 回復期リハビリテーション病棟における理学療法
回復期リハビリテーション病棟における看護・介護スタッフとの協業
中島 由美
1
Nakajima Yumi
1
1医療法人社団和風会橋本病院
pp.419-425
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100090
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回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)の目的は,在宅復帰,ADLの向上,廃用症候群の予防が挙げられる.これらの目的を達成するには,病棟に配属された理学療法士(以下,PT),作業療法士(以下,OT),言語聴覚士(以下,ST)などの,いわゆるリハビリテーション(以下,リハ)スタッフのADL練習を中心とした働きかけだけでは十分とは言えない.「できるADL」を日常的に繰り返し,「しているADL」へと定着させるには看護・介護スタッフの働きかけが必要不可欠である.さらにPTとしては活動水準の高い状況でそれらが繰り返されるようにしたいものであり,そのためにはチームとしての密な連携が重要となる.しかし,多くの回復期リハ病棟で,その連携に頭を悩ませていると耳にする.その背景には,自分の持っている情報を他職種に提供せずに専門職を主張しすぎてしまったり,そもそも病棟は看護師のものという職種間の隔たりを感じることがあったりといった,セクショナリズムの強さがある.また,介護スタッフを軽視し,職種間の理解や受け入れをしようとしないこともある.そのような中で果たして協業があり得るのか,患者の立場はどうなるのか考える必要がある.
今回は当院でのPTと看護・介護スタッフとの連携,あるいは協業に対する意識や工夫点について紹介したい.
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