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特集 周産期メンタルヘルスの今
産婦人科医から精神科医療スタッフへの想い
Message from Obstetricians to Psychiatric Medical Staff
下屋 浩一郎
1
Koichiro Shimoya
1
1川崎医科大学産婦人科学群
1Department of Obstetrics and Gynecology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
キーワード:
妊産婦の自殺
,
maternal suicide
,
女性ホルモン
,
female hormone
,
妊娠と薬
,
drug in pregnancy
,
プレコンセプションケア
,
pre-conception care
Keyword:
妊産婦の自殺
,
maternal suicide
,
女性ホルモン
,
female hormone
,
妊娠と薬
,
drug in pregnancy
,
プレコンセプションケア
,
pre-conception care
pp.1181-1189
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206174
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抄録 周産期はうつ病など,精神障害の発症・再発リスクが高いことが知られている。特に分娩後,胎盤が娩出されるとエストロゲンが急速に低下するため,さまざまな精神症状がみられやすくなる。母体の精神疾患は周産期の予後の悪化に関連し,産前のうつおよび抗うつ薬の服用は早産,出生体重の減少,新生児の易刺激性などの関連も示唆されている。さらに妊産婦のメンタルヘルスの課題は本人のみならず,児の養育にも大きな影響を及ぼす。最も悲劇的な形として自殺があり,妊産婦における自殺の原因としてはうつ病が最も多く,それ以外に統合失調症などの精神疾患も背景にある。薬物療法によってわずかに上昇する周産期のリスクに比べて治療で得られるメリットのほうが大きい。精神疾患を有する妊産婦に対してはプレコンセプショナルケアが有用であり,多職種が連携してできるだけ妊娠前から周産期管理を行うことが望ましい。
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