講座 コミュニケーションスキル・1
実践活動でのコミュニケーションスキル
横谷 省治
1
,
津田 司
1,2
Yokoya Shoji
1
1三重大学医学部附属病院総合診療部
2医学・医療教育開発推進センター
pp.77-85
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100014
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
医学部卒前教育ではコミュニケーションスキル,特に医療面接についての教育がここ数年で急速に普及した.理学療法士(以下PT)などの養成校でもこういった教育ニーズが高まっており,実践的教育が始まっている1).本稿では,医療・福祉の実践の場におけるコミュニケーションを学ぶにあたっての基礎的な事項について,コミュニケーションとは,患者医療者関係,コミュニケーションスキル,医療面接の進め方の順に述べる.患者医療者関係と医療面接については医師と患者についての研究,コミュニケーションスキルについてはカウンセラーとクライアントについての研究から得られた知見が多い.これらは医療や福祉一般にも応用できる.本稿では代表して医療者と患者という表現を用いるが,福祉従事者と利用者と読み替えてもよいし,患者・利用者の家族が対象でもよい.
コミュニケーションとは
コミュニケーションは,これを「人間同士の意味の伝達」という概念で見た場合,一方が他方に情報を伝達して終わるという一方通行ではなく,送り手もまたメッセージの受け手になって,相互に影響を及ぼし合うものである2).A,B二者間のコミュニケーションの1サイクルを図に示した.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.