特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!
【実践編】
「総合診療外来」でよくあるコミュニケーション不全とその対応
横谷 省治
1
1筑波大学医学医療系 北茨城地域医療教育ステーション 北茨城市民病院附属家庭医療センター
キーワード:
癒やし
,
関係性
,
共感
,
情報共有
,
エンパワーメント
Keyword:
癒やし
,
関係性
,
共感
,
情報共有
,
エンパワーメント
pp.576-580
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200904
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癒やし、関係性、共感、希望
Case1
頑固な帯状疱疹後神経痛で生活に支障をきたしていた一例
患者:56歳、女性。
現病歴:3年前の右前額部帯状疱疹から続く、同部位の疼痛を主訴に総合診療科外来を受診。電気が走るような強い痛みが頻繁に生じ、最低限の家事をこなすだけの生活が続いている。
前医でプレガバリン1回150mg 1日2回を処方されていたが効果がなく、「症状と付き合っていくしかないですね」と言われて絶望的な気持ちになったという。発症当時の様子、治療の経過、生活の様子などを聞き、どれだけ痛みで困っているかを具体的な場面の例をあげて話してもらった。患者へは、「きっと良い方法が見つかりますよ」と伝え、プレガバリンに替えてアミトリプチリン10mgを処方し、再診の予約をした。
診察を重ねるうちに、とても慎重な性格で急な変化に対応するのが苦手なこと、家族との関係で気に病むことが複数あることなどが語られた。痛みは徐々に減っていき、受診から2カ月後には、ほとんど感じないまでになった。
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