増刊号 学会発表・論文執筆はもう怖くない! 臨床検査技師のための研究入門
8章 臨床検査技師の研究留学
University of Southern California(USC)&Children's Hospital Los Angels(CHLA)へのポスドク留学
大楠 清文
1
1東京医科大学微生物学分野
キーワード:
ポスドク
,
臨床微生物検査
,
感染症検査
,
臨床検査技師
,
遺伝子検査
Keyword:
ポスドク
,
臨床微生物検査
,
感染症検査
,
臨床検査技師
,
遺伝子検査
pp.1042-1044
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208131
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当時の状況と留学を志すきっかけ
私は東京医科歯科大学医学部附属臨床検査技師学校を卒業後,虎の門病院臨床化学検査部(7年間),千葉県こども病院(7年間)にて臨床検査技師として勤務した後,専門分野のさらなる研鑽を目的に2001年7月から約2年半の間,ポスドク研究者としてロサンゼルスにある南カリフォルニア大学(University of Southern California:USC)とロサンゼルス小児病院(Children's Hospital Los Angeles:CHLA)での留学を経験した.
2001年当時は,感染症の迅速診断として核酸増幅法が臨床検査室の現場で一般的に使用されていなかったため,遺伝子学的診断法の修得と米国の臨床微生物検査体制を学びたかったことが留学を志すきっかけとなった.そして振り返れば,私に臨床微生物検査の魅力を伝授してくれた千葉県こども病院検査科長・川上浩氏(当時)との出会いが留学への一歩を後押しした.川上師匠は,私の仕事のモットーである“菌は生き物だ”“菌は噓をつかない”“患者情報から起炎菌を想定せよ”を伝授してくれた恩師である.留学の本当の目的は,日本でこのまま仕事をしても川上師匠を超えることはできない,師匠を超えたいというのが一番の理由だったかもしれない.
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