検査じょうほう室 病理:病理標本に見られる不思議な現象
固定による組織の変化
布施 恒和
1
1山形大学医学部附属病院検査部
pp.1342-1344
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906438
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はじめに
病理検査室には,生検や手術などで摘出された種々の組織がホルマリン液に入った状態で提出されてきます.それらをよく見ると,同じ臓器でも赤く軟らかいものと,淡黄白色や淡い茶褐色を呈して硬くなっているものがあります.なぜこのような現象(変化)が起こるのでしょうか.
前者はまだ固定されていない新鮮組織で,後者は十分固定された組織であるからと考えてよいでしょうか.また別の理由があるのでしょうか.
解答を述べる前に病理検査における固定について考えたいと思います.
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