検査じょうほう室 一般:一般検査のミステリー
アプトテストの信頼性
佐々木 美幸
1
1箕面市立病院中央検査部
pp.1340-1341
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906437
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はじめに
アプト(Apt)テスト(アルカリ抵抗試験)は,新生児の吐物や便が血性であった場合,新生児自身の消化管出血によるもの(新生児メレナ)なのか,あるいは,出生時に飲み込んだり,授乳時に乳首が切れて乳汁に混じって嚥下された母体血(仮性メレナ)なのかを鑑別するための検査法です.新生児由来の出血であれば原因の追及と治療が必要ですが,母体血であれば治療の必要はありません.
アプトテストは手技が非常に簡便で,迅速に行えることからfirst choiceのふるい分け検査とされていました1).しかしながら,本法のみでふるい分けを行えるものではなく,患児の持続的観察と原因追及のための検査が必須であることから,今ではほとんど実施されなくなっています.
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