増刊号 誰でもわかる遺伝子検査
Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか
3.応用編—遺伝子検査を利用する
1)感染症
(11)薬剤耐性菌
柴田 尚宏
1
,
荒川 宜親
1
1国立感染症研究所細菌第二部
pp.1043-1052
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906354
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はじめに
近年,次々と新しいタイプの耐性菌が報告されている.グラム陽性菌では,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus;MRSA),バンコマイシン耐性腸炎球菌(vancomycin resistant Enterococcus;VRE)が海外でも大きな問題となっており,またグラム陰性桿菌では,セラチアや緑膿菌,肺炎桿菌などの菌種において広域-β-ラクタム耐性やアミノグリコシド耐性,ニューキノロン耐性などが問題となってきている.これらの薬剤耐性菌は,担癌患者や術後患者および高齢者などのimmunocompromised host(免疫機能に支障を来した宿主)における日和見感染症や病院感染症の起炎菌として警戒されその対策が求められている.本稿では,こうした医療現場で問題となっている主な耐性菌とその遺伝子検査について紹介する.
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