技術講座 病理
ヘマトキシリン・エオジン染色で見られる褐色顆粒の性状と鑑別〔Ⅱ〕
河又 國士
1
,
大友 幸二
2
1北里大学保健衛生専門学院
2(財)結核予防会結核研究所基礎研究部分子病理学科
pp.431-441
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906185
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
ほとんどの細胞はリソゾーム(lysosome)を持っている.リソゾームは細胞内消化系として機能する.これはゴルジ(Golgi)装置で作られる別々な要素を持つ2つの小胞の融合で成立する.1つは加水分解酵素を持つ高電子密度の小胞(200〜400nm)で,この膜にはH+-ATPaseは存在しない(以前の一次リソゾーム).他方は消化する物質を取り込んだエンドゾーム(endosome)で,この膜にはH+-ATPaseがある.両者が融合しエンドリソゾーム(endolysosome),(以前の二次リソゾーム)を形成する.この時点でpHが下がり加水分解酵素は活性化する1).
酸性加水分解酵素で消化・分解できなかった物質(遺残物)は残余小体として細胞内に留まる.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.