日常染色法ガイダンス 一般的な日常染色法
ヘマトキシリン・エオジン染色
河又 國士
1
1結核予防会新山手病院臨床検査科
pp.759-766
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903209
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
目的
光学顕微鏡を用い病理組織学的診断を行うには,細胞および組織構造の形態的全体像を,よく理解する必要がある.このため細胞や組織の構成要素を,平均的によく表現できるヘマトキシリン・エオジン(hematoxylin-eosin;HE)染色が利用されている.
よく染色されたHE染色標本では,ヘマトキシリンで細胞核が濃青紫色から藍色に,軟骨基質,粘液の一部,石灰化巣,微生物の一部,好塩基性物質なども青紫色から淡青色に染まる.一方のエオジンでは細胞質,種々の線維成分,赤血球や好酸性物質・顆粒などが淡赤色から濃赤色に,コントラストよく染め分けられる.また一部の成分は両者の色調をとるものもある.単純な染色のわりに構成要素を濃淡の差で表現し,多くの情報を提供する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.