技術講座 病理
ヘマトキシリン・エオジン染色で見られる褐色顆粒の性状と鑑別〔Ⅰ〕
河又 國士
1
,
大友 幸二
2
1北里大学保健衛生専門学院
2(財)結核予防会結核研究所基礎研究部分子病理学科
pp.331-338
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906159
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新しい知見
悪性黒色腫はメラニン色素産生能を持つ,メラノサイト(melanocyte)に由来する悪性腫瘍である.その悪性度は高く比較的早期からリンパ節や遠隔臓器に高率かつ広範に転移し,極めて予後不良の腫瘍である.メラニン色素の含有量もまちまちで,無色素形成性の悪性黒色腫(amelanotic melanoma)もある.
従来,その確定診断にDOPA反応が用いられた.しかし,ホルマリン固定で酵素活性を失い,パラフィン切片が使用できなかった.近年,免疫学的検索法が発展しHMB-45,NSE(neuron specific enolase,神経細胞特異的エノラーゼ),S-100蛋白,ビメンチンなどの抗体が導入された.さらに上皮性・非上皮性,リンパ腫関連抗体の駆使により日常検査のパラフィン切片で,確定診断が可能になった.
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