Laboratory Practice 血液 骨髄塗抹標本の見かた
異常細胞の見かた・3 リンパ球系の異常
2.数の異常と形態異常 形質細胞の異常(2)
中竹 俊彦
1
1杏林大学保健学部臨床血液学
pp.354-359
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906167
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はじめに
Bリンパ球系の異常は,①Bリンパ球になるまでの段階で腫瘍化したもの(急性・慢性リンパ性白血病),さらにBリンパ球から以降に②二次的(反応性)に生じた異常,および分化の最終段階で③形質細胞の本質的な異常,すなわち腫瘍性に起こった病態に分けて考えることができる.
成熟Bリンパ球は,備えられた性質に対してリンパ節で特異的な抗原刺激を受けると,主に血液を経由して骨髄へ回帰して定着(ホーミング)し,その分化と成熟を支持する骨髄の支持細胞の働き(インターロイキン6;IL-6)を受けて,形質細胞へと分化・成熟する.代表的な分化の異常は多発性骨髄腫で,前回の「形質細胞の異常(1)」として解説された.
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