臨床検査に必要な統計処理法・26
合理的な実験の計画とデータ解析の方法—実験計画法[1] 管理の必要性と基本的考えかた
細萱 茂実
1
1山梨医科大学医学部附属病院検査部
pp.147-152
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906125
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はじめに
臨床検査データは,病態による変動以外に,性別・年齢・食事などの生理的変動や,検査技術に依存する分析条件の変化など,様々な要因により変動する.それら変動要因による影響の程度を知ることは,臨床検査を実施しまた活用するうえで重要である.検査データに影響を与える要因の存在や影響の程度は,適切な手続きによる調査や実験で取得された観測値や測定値を,適正に解析することで本来の姿を知ることができる.
その際に役立つ手法が実験計画法であり,当初農学の分野で発達したこの考えかたは,現在では工学・生物学・医学など多くの領域で活用されている.観測や実験に伴う誤差を上手に管理して効果的・効率的に実験を計画し,またデータを解析する実験計画法は,臨床検査法の開発や検査データの変動要因解析などにも極めて有効な手段となる.
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