視点
健康的な都市計画
圓藤 吟史
1
1大阪市立大学医学部環境衛生学教室
pp.156-158
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901436
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健康都市プロジェクトはヘルスプロモーションに関するオタワ憲章を契機に1986年から世界保健機関(WHO)ヨーロッパ地域事務局によって推進され,世界各地の都市で展開されている.わが国でも厚生省の「健康文化と快適なくらしのまち創造プラン」とともに,「健康な街づくり」,「健康都市宣言」として最近各地の自治体で構想され推進されつつある.ここで言う「健康」とはWHO憲章で定義されている「身体的,精神的,社会的に良好な状態」としての積極的な健康を意味し,「健康的な都市計画」は住民参加によって,生活環境を整備し,医療福祉を充実させて都市に住むすべての「人間が人間らしく生きる」ことができる都市づくりである.
従来から上水道,下水道,廃棄物処理,保健,民生福祉は都市住民に対する公共サービスとして進められてきた.健康的な都市計画を考えるにあたって,それらの事業が健康とどのようにかかわってきたか,またそれらを今後どのように進めるべきかを考えてみたい.
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