増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
4.多糖類の日常染色法
α-アミラーゼによる消化試験
宮平 良満
,
岩井 宗男
,
宮本 敬子
,
九嶋 亮治
,
岡部 英俊
pp.698-700
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905863
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目的
細胞質内の糖原(グリコーゲン)を染めることを目的として,古くからヨウ素反応やシッフ反応(Schiff reaction),そしてカルミン色素を用いた染色〔ベスト(Best)のカルミン染色(Carminestain)〕など各種の方法が利用されてきた.その中でも糖質を過ヨウ素酸で酸化させて生じたアルデヒド基をシッフ試薬で呈色する(シッフ反応)PAS反応(periodic acid Schiff reaction)が現在では一般的な糖質の証明方法として活用されている.
しかし,いずれの方法においてもグリコーゲンのみならず粘液など他の多糖類も同時に染めてしまうので,陽性物質がグリコーゲンであることを証明するためには唾液やジアスターゼ,α-アミラーゼなどの消化酵素によってその物質が消化されることを確認しなければならない.
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