技術講座 免疫
LKM-1抗体の測定
銭谷 幹男
1
1東京慈惠会医科大学消化器肝臓内科
pp.231-234
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905746
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
LKM-1抗体は肝腎ミクロソーム-1抗体と呼ばれる自己抗体で,2型自己免疫性肝炎の診断に有用な自己抗体である.この2型自己免疫性肝炎は抗核抗体が陰性で,LKM-1抗体が陽性を示すもので,抗核抗体あるいは抗平滑筋抗体が陽性を示すプロトタイプである1型に比し頻度は低く,わが国ではまれである.しかし,LKM-1抗体の対応抗原はシトクロム(cytochrome;CY)P450IID6であることが示され,さらにC型肝炎の5%の症例でこのLKM-1抗体が陽性を示す症例が存在することや,CYP450IID6とC型肝炎ウイルスの遺伝子には類似性を示す部分が存在することなどにより,LKM-1抗体の出現と肝障害発現の免疫応答の関連性が注目されてきた.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.