技術講座 病理
minimal residual disease(MRD)検出法
日髙 惠以子
1
,
廣田 雅子
1
,
山内 一由
1
,
上野 一郎
1
,
戸塚 実
1
1信州大学医学部附属病院中央検査部
pp.235-240
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905747
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新しい知見
染色体転座を有する白血病では,転座の結果形成されるキメラ遺伝子が転座点近傍の癌遺伝子などを活性化して発症に関与することが明らかにされている.キメラ遺伝子の存在は病型特異的であり,この検索により白血病細胞の質的診断が可能である.さらに,ウイルムス腫瘍の責任遺伝子として発見されたWT1遺伝子はほとんどすべての白血病で発現していることが報告され,病型にかかわらないマーカーとして注目されている.また,遺伝子増幅法により残存する腫瘍細胞を高感度に検出することが可能となり,診療に応用されている.最近開発された定量PCR法は,残存腫瘍細胞量をモニターすることで治療効果の判定および再発の予測を可能にした.
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