トピックス
ビタミンKの抗癌作用
宮川 隆之
1
,
白幡 聡
1
1産業医科大学小児科
pp.1188-1190
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905594
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はじめに
ビタミンKは,ビタミンK依存性蛋白合成の最終段階で,それらの蛋白前駆体が有する特定のグルタミン酸残基のγ位をカルボキシル化して,γ-カルボキシグルタミン酸に変換する酵素(γ-グルタミルカルボキシラーゼ)の補酵素で,1929年,Henrik Damにより発見されて以来,長い間止血に必要な微量栄養素と考えられてきた.しかし,1980年代に入って,人工的に合成されたビタミンK同族体であるビタミンK3に細胞増殖阻害作用や細胞死(アポトーシス)の誘導作用があることが報告され,一時期他の治療法と組み合わせて臨床応用も試みられたが,本格的な治験には至らなかった.一方,最近になりビタミンK2にも細胞増殖阻害作用や分化誘導作用があることが明らかにされ,抗癌剤としてのビタミンKが改めて注目されている.
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