今月の主題 腎疾患—最近の展開とトピックス
糸球体腎炎:臨床と診断
IgA腎症
富野 康日己
1
1東海大学医学部・内科
pp.1736-1738
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219951
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
IgA腎症は,1968年フランスのBergerによって初めて報告された疾患で,わが国に高頻度に認められる慢性糸球体腎炎の1つである.その特徴的な螢光抗体法的所見は,腎糸球体メサンジウム領域へのIgAと補体C3の顆粒状沈着である.こうした螢光抗体法的所見を呈する疾患にはIgA腎症の他に,Henoch-Schoenlein紫斑病性腎炎,SLE,肝性糸球体硬化症などがあり,最近これらを一括して"IgA腎症症候群"として扱う傾向も認められる.しかし,Bergerの提唱したIgA腎症(いわゆるBerger病)は,原発性慢性糸球体腎炎の1つとして確立されており,これらの疾患とは区別される.
本稿では,"IgA腎症"の臨床的,病理組織学的特徴と治療の新しい試みについて概説する.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.