増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 4 溶血検査
3.検査の実際
4)異常ヘモグロビンの検出法
岡山 直子
1
,
服部 幸夫
2
1山口大学医学部附属病院検査部
2山口大学医療技術短期大学部衛生技術科
pp.818-819
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905476
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はじめに
異常ヘモグロビン(Hb)は主としてグロビンのアミノ酸異常によるもので,多くは無症候性である.しかし,ときに溶血性貧血(不安定Hb症),まれにチアノーゼ(HbM症,低酸素親和性Hb),多血症(高酸素親和性Hb)などの症候性として見られる.鎌状赤血球症では多くの米国黒人が苦しんでいる.しばしば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でのHbA1cの測定干渉をきっかけとして発見される.サラセミアはHb分子(α2β2)の一方のグロビンの産生低下による小球性低色素性貧血で,その重症型では溶血を呈する.非鉄欠乏性の小球性貧血はほとんどがサラセミアである.日本人の700〜1,000人に1人の割合で見られる.
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