増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 3 血球形態検査
2.骨髄穿刺検査
3)検体の処理方法,検査の実際と骨髄細胞の見かた
佐藤 尚武
1
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
pp.762-768
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905449
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検体の処理方法
塗抹標本の作製に関しては,基本的に末梢血液の場合と同じである.ただし,一般に骨髄液の採取には抗凝固剤を用いないので,穿刺した骨髄液を素早く受け取り,手際よく迅速に標本を作製する必要がある.また,実施する染色の種類数などを考慮し,標本の作製必要枚数も事前に確かめておく.同時に時計皿などに骨髄液を別に採り,骨髄有核細胞数や骨髄巨核球数の算定,ミエロクリットの測定を行う.したがって理想をいえば,骨髄穿刺には複数の技師が参加することが望ましい.骨髄有核細胞数や骨髄巨核球数は,チュルク(Türk)液で希釈し,計算盤を使って算定する.なお,本稿のテーマは形態検査なので,これら算定検査に関する処理法は省略する.用手法による血球計数に準じた手技なので,Part 2の該当項目を参照されたい.
圧挫伸展標本を作製する場合は,まずピンセットなどでスライドグラスに骨髄液中の小塊を採る.次に,反対の手で別のスライドグラスを持って,骨髄液小塊の載ったスライドグラスにこれを押しつける.2枚のスライドグラス間で小塊が押しつぶされ,広がったことを確認して2枚のスライドグラスを左右に,水平を保って速やかに引き離す.
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