増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 1 総論
1.血液学の基礎知識
2)造血機能とその調節機構 c)血小板系
米野 琢哉
1
,
長澤 俊郎
1
1筑波大学臨床医学系血液内科
pp.646-647
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905406
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はじめに
血小板の存在が初めて記載されたのは19世紀半ばであり,当初は白血球あるいは赤血球の前駆体と考えられていた.20世紀初頭になりライト染色で有名なWright1)により,巨核球-血小板系の存在が示された.その後1980年代に入り,エリスロポエチン(EPO)などに代表される造血因子が次々にクローニングされ,これら造血因子が生体内で極めて重要な働きをすることが明らかになってきた.ところが,巨核球-血小板造血の特異的因子と想定されたトロンボポエチン(TPO)の同定は長年成功しなかった.このため,巨核球-血小板造血機構の解析は血球3系統の中で最も研究が遅れてきた.
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