病気のはなし
結核
山岸 文雄
1
1国立療養所千葉東病院
pp.320-324
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905331
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新しい知見
結核の感染は,結核菌を排菌している患者が,咳やくしゃみで飛散した飛沫の中に含まれている結核菌を別の人が吸入することにより生じる.液体成分は速やかに蒸発し,飛沫の核となっていた結核菌だけが残り軽くなるため,なかなか落下せずに空中に浮遊する.これを吸入して感染する.結核感染は,以前は“飛沫感染”と表現されていたが,液体成分を含むものでは落下速度も速く,また大きすぎるため肺胞まで到達できない.水分が蒸発し,結核菌だけとなったものを吸入することにより感染が生じるので,“飛沫核感染”あるいは“空気感染”と呼ばれている.
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