トピックス
最近の抗結核療法
山岸 文雄
1
1国立療養所千葉東病院
pp.1442-1444
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543904023
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はじめに
1986年(昭和61年)に結核医療の基準が改定され,初回標準治療方式が採用された.この治療方式は,軽症例にはイソニコチン酸ヒドラジド(INH)およびリファンピシン(RFP)の2剤併用療法を6〜9か月間,中等症以上の症例にはINH・RFP・ストレプトマイシン(SM)またはエタンブトール(EB)の3剤併用療法を6か月間,次いでINH・RFPの2剤併用療法を3〜6か月間行うのを標準とするものである.この治療方式は,初回からINH・RFPを含む強力な処方であり,治療期間の短縮を含め,わが国の結核医療の標準化,適正化に大きく貢献してきた.
一方,世界的には治療初期の2か月間にピラジナミド(PZA)を加える初期強化短期療法が広く標準治療方式として受け入れられており,WHOも標準治療方式の1つとして“結核の化学療法,国の結核対策のためのガイドライン”の中で勧告1)している.
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