増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第III章 細胞診
2.検体
5)術中迅速細胞診
山岸 紀美江
1
1国立がんセンター研究所病理部
pp.208-210
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903503
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目的と意義
術中迅速細胞診は手術中に,かつ迅速に病理形態学的診断を行うことを目的とする.迅速病理診断には,凍結切片組織診と細胞診がある.両者はともに精度100%ではなく,得意,不得意な検査材料を持つ.さらに診断者の得手,不得手もある.したがって,多くの施設での両者の扱いは競合的方法としてではなく,相補的方法として扱われている1).
術中迅速細胞診の有用性を初めに認めたのは,英国医学界長老の病理医Dudgeon(1927年)2)である.彼は,術中迅速細胞診を最初に報告したShaw(1923年)3)の論文を紹介して,その実用性を認めた.
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