技術講座 病理
術中迅速細胞診の工夫および問題点
佐々木 政臣
1
1大阪市立大学医学部附属病院病理部
pp.1214-1218
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103001
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新しい知見
2010年4月1日から診療報酬点数表が改定され,病理診断の項目に,手術の途中における胸水・腹水などの術中迅速細胞診が新たに加わり,1手術につき1回450点を算定することができるようになった.さらにまた,専門医が診断を行った場合には細胞診断料240点を月1回算定することが可能になった.このことは,術中迅速細胞診が通常の細胞診とは特に区別された重要な診断業務であることが評価されたものと思われる.当院では胃癌の術中腹腔洗浄液の細胞診を開始してから20年あまりになるが,当初は迅速対応ではなく通常業務として行ってたが,2000年頃より迅速対応となり,近年では乳癌のセンチネルリンパ節(sentinel lymph node)の術中迅速捺印細胞診が加わり,さらに最近では内視鏡室などの臨床側に出向くベッドサイド細胞診,出張細胞診の依頼も加わり業務が多様化するととに,今後の細胞診の方向性として,チーム医療への参画,治療計画,クリニカルパスとして細胞診の重要性が高まっている1).
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