増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第III章 細胞診
2.検体
4)スクリーニング
都竹 正文
1
1癌研究会附属病院細胞診断部
pp.206-207
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903502
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はじめに
スクリーニングとは,正常の材料にみられない異常(異型)細胞を見つけだすことである.異常(異型)細胞とは「正常でない細胞あるいは普通とは変わった形の細胞」ということである.正常でない状態といっても,炎症,奇形,腫瘍に伴う退行性変性,進行性変化などさまざまな病的状態であり,仮に高度の異型細胞を悪性細胞と想定しても,いかなる所見があれば高度の異型であるといえる客観的な定義はない.文献的に癌細胞の特徴を要約すると表となる.
本来,悪性細胞の形態的定義はほんのわずかであり,それらのみで実用上の診断は不可能である.しかし,実際には悪性細胞をいかに効率よく選別するかということが,スクリーニングの第一歩となる.
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