増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第I章 病理学総論
8.神経系
大塚 成人
1
1昭和大学医学部第二解剖学
pp.61-73
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903455
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
日常の病理の業務は,主に亡くなられた人に施す病理解剖(解剖病理学)と生検および手術材料を扱う外科病理学とに分けられる.神経系以外の臓器ならば,生検および手術材料は多く,患者の手術術式を含む治療方針や予後の推測に病理診断が一役買っているのに対して,特に中枢神経系では脳腫瘍が手術材料として採取される以外は生検などはほとんど行われていない.したがって,本稿においてもこのような現状を踏まえて,解剖病理学における神経系の病理を日常に出くわす神経疾患を例にとり,それらの脳や脊髄をどう扱っていったらよいかというような点を中心に述べる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.