増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血副作用
非溶血性副作用
輸血後GVHD
大塚 節子
1
,
木村 彰方
2
,
石塚 達夫
3
1岐阜大学医学部付属病院輸血部
2東京医科歯科大学難治疾患研究所成人疾患研究部門異常代謝分野
3岐阜大学医学部第3内科
pp.270-274
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903156
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はじめに
同種移植片に対する免疫反応の主要な標的抗原は,主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex;MHC)分子そのものであり,アロMHCをT細胞が認識することから,移植片拒絶は始まる.移植片対宿主病(graft-versus-host disease;GVHD)における組織障害は,細胞障害性T細胞(cytolytic T lymphocyte;CTL)を介する標的細胞融解と大量に分泌されたサイトカインに起因する1).
臨床的GVHDは通常,骨髄移植の結果引き起こされる病態である.しかし,臨床的GVHDには生着するドナーリンパ球の供給臓器によって,①骨髄移植後,②輸血後,③胎盤を介する母→児輸血後,④所属リンパ節リンパ球の移入による固形臓器(例えば肝臓)移植後GVHDがある.本稿では,輸血後GVHDを骨髄移植後GVHDと比較して述べる.
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