今月の主題 輸血の実際と血液製剤
副作用・合併症の対策
GVHDと輸血
品田 章二
1
1新潟大学医学部付属病院・輸血部
pp.626-627
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222404
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●輸血によるGVHDの特徴
輸血後約1週間(3〜30日後)に突然,39℃台の発熱,ゆでだこ様の紅皮症,白血球減少,肝障害(GOT, GPTが100単位前後に上昇),下痢などの症状が出現する.一度発症すると,ステロイド,抗胸腺グロブリン,メトトレキセート,サイクロスポリンなどを投与しても無効のことが多く,1週間以内に強い骨髄抑制所見(汎血球減少症)に陥り,90%以上の症例が細菌感染症や出血などで死亡する,重篤な輸血後副作用である1,2).
この病態は,輸血された血液中の分裂能をもつリンパ球が,患者の組織適合性抗原を異物と認識し攻撃するGraft-versus-Host Disease(GVHD)であると解釈されている.
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