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特集 輸血後GVHDをめぐる諸問題
輸血後GVHD治療の可能性
Treatment of transfusion-associated graft-versus-host disease
安川 正貴
1
Masaki YASUKAWA
1
1愛媛大学医学部第1内科
キーワード:
輸血後GVHD
,
細胞傷害性T細胞
,
免疫抑制剤
Keyword:
輸血後GVHD
,
細胞傷害性T細胞
,
免疫抑制剤
pp.719-723
発行日 1997年6月20日
Published Date 1997/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902739
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輸血後GVHDに対しては,その予防対策を全国的規模で講じることが急務であるが,現時点では治療法の開発も重要な点乱である.輸血後GVHDの確立された治療法はないが,受血者同種抗原に対する供血者由来細胞傷害性T細胞(CTL)の機能抑制に焦点を当てるべきである.CTLの機能抑制には,抗原認識阻害,細胞内シグナル伝達抑制,細胞傷害機構の阻害などの可能性が考えられる.ほとんどの症例における直接死因は骨髄抑制による敗血症であるため,無菌室での治療やG—CSFの早期投与も重要である.輸血後GVHDの治療においてきわめて重要な点は,できる限り早期に診断し,強力なT細胞免疫抑制療法を実施することであると考えられる.
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