輸血検査メモ
輸血検査の精度管理
平野 武道
1
1慶應義塾大学病院輸血センター
pp.168-169
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903127
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輸血の安全確保について厚生省薬務局より発行された「血液製剤の適正化のガイドライン」中の輸血実施上の注意点で,輸血用血液の安全性および患者との適合性の確認の検査方法が項目別に記されている.輸血知識・検査技術・方法の選択,試薬の選択は各施設に任され,各医療施設が一定のレベルにあるものとして提示されていると考えられる.この提示に応える意味から,われわれ輸血検査技師は,日常いかに輸血の安全確保のため知識と技術を駆使し,正確で的確な判断の下に結果を出すか,また恒久的に正確な情報を臨床に提供していくことが主務となり.検査結果が正しいものであるとの根拠を示すものがなければならない.結果の保証を示すものとして,明文化された文書が必要となってくる.文書に該当するものとして,輸血部の運営と責任所在の明確化が盛り込まれたもので,輸血知識・教育・検査技術・方法,検査の書式・結果の報告手続き,緊急の対応,試薬使用・管理,設備の保守管理を実施するうえで必要な事項が詳細に記述され,かつ,施行する場合,固守すべき基準と標準の指示が正確で明快に理解でき,徹底されやすく,全検査技師の結果が一致するものでなければならない.
マニュアル(精度管理)は,輸血の安全確保上重要である.マニュアルを所持していることは,輸血部と検査技師の資質,機器設備,検査方法・結果,試薬について,公に品質管理保証を明らかにしているに等しいものである.
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