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ユーイング肉腫の染色体異常と分子生物学
吉川 卓志
1
,
牛込 新一郎
2
1東京慈恵会医科大学整形外科
2東京慈恵会医科大学病理学講座第1
pp.1063-1064
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902926
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はじめに
ユーイング(Ewing)肉腫は,従来,10歳台の小児の長管骨の骨幹部に好発する悪性度の高い腫瘍で,組織学的には未分化な小円形細胞を主体とすることを特徴としていた.しかし,ユーイング肉腫は軟部にも発生することがわかり,また組織学的に神経性の分化を示すものも報告され,1980年代後半から末梢性の神経外胚葉性腫瘍(peripheral primitive neuroectodermal tumor;pPNET)との関係が話題となっている1).近年の免疫組織化学的研究や分子生物学的研究により,ユーイング肉腫とpPNETに共通の染色体異常も見つかっている.ここでは,以下ユーイング肉腫とpPNETを包括して広義のpPNETとして扱い,主にその染色体・遺伝子異常について最近の話題を中心に述べる.
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