けんさアラカルト
ヘパリン負荷リポ蛋白リパーゼの測定
野間 昭夫
1
1岐阜大学医学部臨床検査医学講座
pp.1016
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902916
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リポ蛋白リパーゼ(LPL)はキロミクロンや超低比重リポ蛋白(VLDL)の代謝の不可欠の酵素であり,この酵素活性の低下,さらの欠損のよって高トリグリセリド(TG)血症を呈することはよく知られている.このLPLの酵素蛋白量の測定キットが発売され,健康保険の適用にもなったので,今後この検査が増加することが予想される今日であるが,この測定法や臨床的意義のついてはいくつかの論文があるので,本稿ではこの酵素のまつわる発展のついて,筆者の過去の研究との絡みで記述してみたい.
筆者は1970年のスウェーデンのルンド大学医学部生化学のB.Borgström教授のもとの留学したが,そこで膵リパーゼを中心としたリパーゼの反応機構について研究する機会を得た.余談になるが,その教室で感心したのは,合成を専門とした化学者がおり,教室員の希望のより,いろいろアイソトープラベルした調品をつくってくれることであった.筆者もTG,ジグリセリド(DG),モノグリセリド(MG)の1〜3位の脂肪酸はもちろん,種々の部位の14Cや3Hを導入してもらい,それを基質に用いて反応を検討した.そこで酵素,特にリパーゼ反応の面白さを覚え,帰国後検査関係の従事するようになったが,まず頭に上がったテーマはLPLであった.
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