けんさアラカルト
遺伝子検査導入の問題点
長沢 光章
1
1防衛医科大学校病院検査部
pp.506
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902707
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現在,微生物検査室で実施可能な遺伝子検査として,polymerase chain reaction(PCR)などの増幅法により臨床材料から微生物抗原を直接検出するものと細菌集落(コロニー)を用いた同定検査があり,培養に長期間を要する場合や培養困難な微生物の迅速診断法として大変有用である.結核菌群,マイコバクテリウム・アビウム,マイコバクテリウム・イントラセルラー,クラミジア,C型肝炎ウイルス,mec A遺伝子(MRSA)などの検出・同定キットが診断薬として承認され,保険診療点数も認められ発売されている.
しかし,数年前までは多くの検査室で遺伝子検査に対し大きな夢と期待を持っていたが,設備,人員,経費,操作性,コンタミネーション,特異性など多くの問題により,日常検査への導入は一部の項目を比較的大規模な検査室で実施している現状である.
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